あかるい
次々と隣の建造物が取り壊されていって、更に遠くが見渡せるようになってきた。心地が良い。本来みえるものが隠されていたのだなあ。
この景色を見て育っていたら違った人生になっていただろうか。みえる景色一つで、精神も変わっていただろうか。
見えないことが当たり前になりすぎていたのではないだろうか。
遠くが見えないところに住むということはよくないことだ。現代の都市は、周りに住処やものがありすぎる。こんなジメジメしたところで暮らすことなんて、ましてや育つことなんて。
心もろ体も萎縮してしまっていた。
みえる、ということはとても大事なことだ。
みえていなかった、ということに気づかなければ、それがわからなかったのだから、恐ろしいことだ。
みえると気分がかわる。現環境の印象もかわってくる。不思議だ。見え方の問題だけなのに、こころの形まで変わってしまうのだ。ひとは本当に環境に左右される生き物だ。
みえること。